子どもが「なんで周りと比べて一喜一憂するんだ意味がわからん」と怒っているので「自ら顔は自らで見られないからだよ」と言ったものの本当なのか?と思ったので読んだ。
人間は自分のことは自分でわからず、他人をみて自分自身を確定させていく過程を踏むのだけど、児童期後半になるまでは過去の自分と今の自分を比較して自己評価を行うが、その後は中年期に至るまでの長い間他者との比較行動が抜群に増えそれ以降は少しずつ自分を比較していく状態になっていくとのことである。
自分の幸不幸をも他者と比べるがゆえ、能動的に他者を不幸にして下方におき比較することもある。つまりいじめやネット中傷、人種差別などの原因が人間の性質の一部であることがわかる。
社会的環境も比較行動に表出するであろうが、人間として生きていると比較からは逃れられない。
自らを規定するために他者と比べ喜怒哀楽する生き物であるのは幸せなんだろうか。ちょっとわからなくなった。
自らの心持ちをよりよい状態で維持するには、倫理も必要だし、金も平和も必要だなとつくづく思うなどした。
他者と比べる自分 - 株式会社サイエンス社 株式会社新世社 株式会社数理工学社 https://www.saiensu.co.jp/search/?isbn=978-4-7819-0642-3&y=1992