> じつは、これは1を3で「いつまでも」割っていくことを意味するのだが、ほんとうのところは、人間はそのうち死ぬので、いつまでも割り続けることはできない。それに、0.333……のほうにしても、いつまでも3を書き続けていたら、そのうちに死んでしまう。
> つまり、どっちみちこの「……」というのはインチキな表現であって、「いつまでも9のつもり」とか、「いつまでも3のつもり」ということでしかない。あとの部分は、どうせ誤差にはいってしまうから、どうでもええや、といった気分である。
『魔術から数学へ』森毅(講談社学術文庫) p.79