読んだ『ええ、政治ですが、それが何か?』(岡田憲治)
SNS上で「政治のことを言う人は消えて」「切実だから意見してるだけなのに。何故あんなに他人事なんだ」それぞれを目にする。すっきりしない思いであったが、読中自分の中で腑に落ちた。「切実でない・である人」という存在であるという見方である。であるならばリアルな人間同士がそうするように話し合いが行われなければ理解も不可能だが、そういったことが行われない。対岸で罵ったり嘆いたりという状況になる。
その役職がどんな仕事をするかわかっていないがその仕事に対してとんちんかんなことを言う、切実な理由があって訴えている人と慰撫的娯楽で大声で叫ぶ人を一緒くたにして冷笑する、政治は特別なもので自分には関わりがないと予防線を張る。色んな人がSNS上で観測できるが、これらを大雑把にまとめ政治の話としている状況から整理できスッキリした。
よくわからないが自分たちの生活を左右し、文句は言うがどこか他人事で、口にすると邪険に扱われる「政治」。本来人間の営みそのものであるが、特異なものと思われている。その勘違いというか無知をどうにかし、政治を考え評価するための基本軸を立てるのが本書。
個人的には、政治システムが海外から輸入されたフレームワークだったから、日本製カーネルに基本的にマッチしていない状態(ニュアンス)であるのが興味深かった。次に『中空構造日本の深層』(河合隼雄)を読んだら面白いのではないか、と思っているところ。