酒と人生
昔、おじが俳優石原裕次郎のラベルついたワインを持ってきてくれてね、感動して一緒にゆっくり飲みながら語り合ったんですよ。当時私は高校生で、でも私は母方でも父方でもいとこたちより10歳くらい下で、「君が成人するまで俺がもつかどうかだし、外国語やるんだって?今のうちに飲んでおきたい」と言われて静かに一本開けようと…したら、飲み過ぎだからここでやめておこうって言われたんだ。
上の子が小学生の時にもうおじが長くないんだと知らせが入り、向かうと私を見てニコニコして迎えてくれてね。もう話すこともすべて失われてしまったというのに、おじはひきだしをあけて、なにかごそごそっとやったと思ったら万札全部私に渡そうとしてね、私はもう泣いたよ。うまく話せないくらいの状態で辛いのに、歯医者も一回一万かかる往診じゃなくてはならないし、受け取ったように見せておいて、あとでおばにそっと返したんだ。最期に会えてよかった。わがままをいうとすれば、酒を飲めるうちにもう一度だけ会いたかったな。
頑張って教科書を作りたい…。どうも、台湾語を学べる大学はうちの母校麗澤大学と拓殖大学の2校を残すだけになってしまったようです。何が学習者を困らせているか、初歩で諦めさせているか私にはわかっています。個人的なヘバーデン結節の2本や3本で出版を諦める訳にはいかないとは思っています。
何しろ私は「特技: 台湾語」だけで就職したことがあります。現地でも言語人口の減少が問題になってるのに、日本人でわざわざ学んで少しでも使える人間がいるとなればそりゃ捕まえようとするもので…60人いても単位取得に至ったのは結局3人しかいませんでした。しかしいつかは日本語もこの道を辿るんだろうかと思っていますが、杞憂ではなくその根拠があるから怖いものです。
おなかすいた