#読書

前にツイッターではちらっと書いたんですけど、私はルース・スタイルス・ガネット(文)&ルース・クリスマン・ガネット(絵)の "My Father's Dragon"(1948年)和訳版である『エルマーのぼうけん』を大人になってから初めて読んで、びっくりしたことがあったのです。

この物語には、主人公エルマーを地の文で "my father" と呼ぶ「語り手」が存在するのですが、これが日本語では「ぼくのとうさん」と訳されている!

子供の頃に英語で読んだときには、私はこの語り手を「女性」だと思い込んでいました。

それは、著者が女性名で、本文前の献辞のところに「For My FATHER(父に捧ぐ)」と書いてあったからという、とても単純な理由なんですけれども。あと、自分自身が女の子だったから、自然に女の子を想定しちゃってたというのも絶対にあると思う。

実際には、語り手の性別は敢えて明確にされてないんじゃないかなと、いまは考えています。読んだ子が、どっちでも好きに想像したり、どうでもいいこととして特に考えなかったりできるように。読み手の自由に委ねられているのだと。

〔つづく〕

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