BEAT のライブ配信(その2)

80年代クリムゾンの曲を演奏する BEAT、11月10日ロサンゼルス公演のライブが Veeps.com で今週まで配信されています。

  • Veeps.com

配信が始まって1週間近くなり配信終了も近づいてきたので、そろそろネタバレを気にせず詳しく感想を書いても良いかと思って記事にしました。

Setlist.fm に曲目リストが載っています。

改めて配信を見ると、セット1の最初の4曲は80年代クリムゾンのセカンドアルバム「Beat」からの選曲です。バンド名にふさわしく、このアルバムからですね。それも、代表的な「Neurotica」がオープニングで、その次がアルバムトップの「Neal and Jack and Me」が続きます。この2曲が終わったところで、エイドリアン・ブリューもスティーヴ・ヴァイも小さくガッツボーズ。この難曲を思いどおりに演奏できたからなのでしょうね。

続くMCでエイドリアンが「簡単な2曲も終わったので(笑)、次はスローテンポの曲」と紹介して「Heartbeat」に移ります。

その次は「Sartori In Tangier」、元はロバート・フリップのギターソロで構成されている曲で、80年代のライブではエイドリアン・ブリューはドラムを叩いたりしていました。ロバート・フリップのパートを弾くスティーヴ・ヴァイのギターが素晴らしいサウンドなだけでなく、エイドリアン・ブリューもギターで演奏に参加して完成度を高めています。

続く5曲目の「Model Man」からセット1最後の「パート3」、そしてセット2の最初の曲「Waiting Man」、ファーストの「The Sheltering Sky」を挟んでヒット曲の「Sleepless」までの7曲がサードアルバム「Three of a Perfect Pair」の曲です。この時代の曲はあまり演奏していないから、とのMCで始まりましたが、80年代クリムゾンのライブで取り上げられることが少なかっただけに、新鮮に感じる曲が多いです。パート3でもそうですけれど、スティーヴ・ヴァイとエイドリアン・ブリューのギターの掛け合いも楽しいです。これも80年代のクリムゾンのライブにはなかった要素だと思います。

第2セットの後半は主にファーストアルバム「Discipline」の曲を演奏しています。スティーヴ・ヴァイはトレードマークのアクションは抑え気味ですけれど、「The Sheltering Sky」では曲芸のような振りを見せてくれます。また、「Frame by Frame」も難曲らしく、演奏後に小さなガッツポーズが見えます。セット2のクロージングは「Indiscipline」ですけれど、2014年のクリムゾンではイントロから圧迫感の強い迫力ある演奏でしたけれど、Beat ではドラムソロが中心となる80年代スタイルです。

アンコールは「Red」です。この曲もオリジナルのスタジオ録音は1974年ですけれどライブ演奏は一度もないままに解散しました。「Red」をライブ演奏するようになったのは80年代クリムゾンになってからです。そう考えると、この曲も80年代クリムゾンの曲に含めても良いかもしれないですね。

続いて最後は「Thela Hun Ginjeet」、80年代クリムゾンの代表曲の一つですけれど、スティーヴ・ヴァイの厚めのギターサウンドがよくハマっている感じで、アクションも結構見られます。

80年代クリムゾンの曲を演奏する Beat ですけれど、コピーバンドという感じはしないですね。オリジナルの曲の良さや雰囲気は保ちつつ、別方向で元の曲を凌駕している素晴らしい演奏だと思います。

トニー・レヴィンのサイトによると、元々は中継配信された11月10日がツアーの最終日の予定だったそうですが、チケットの売れゆきが良いので公演が延長されたそうです。配信が公演前半の総まとめとなった感がありますし、後半はまた別の切り口を見せてくれるのでしょうね。来年は米国外のツアーもありそうですし、来日もありそうなので楽しみにしています。

#BEAT

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