ちなみにぼくは『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』、まあこんなもんかーという感じだった。
別にめちゃくちゃつまらなくはないし、シナリオも練られているし、アイデアは豊富でそれはそれでいいことではあるんだけど、そのアイデアが映画向きの映像としてちゃんと消化されていないと感じた。たとえば指がああなっちゃってる平行世界のチープさは、あえてなんだろうけど参ったなと思った。
次から次へと様々なアイデアが流れてくるけど、途中からかえって単調だなと感じたのも確か。くだらないことは好きなんだけど、バイブスが合わなかったということだろうか。監督はミュージックビデオ出身なんだけど確かに短い尺のほうが向いてる作家のような気はする。
奇妙な行動により世界にノイズを発生させると分岐した人生で取得したスキルを使える設定は凄くいいなと思った。とりあえずバカバカしいことはやったほうがいい。あと、ミシェル・ヨーが腕を前後にスッとひろげる構えはさすがによくて、特に下半身丸出し巨漢スキンヘッド戦の時なんかは特にカッコよかった。