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祖母に会うかもしれない話2(本人は明るいが人によっては暗い) 

絵は別に得意じゃなかったけれど、それ以来私は「ということはデメリットがある分天才であるはずだろう。まあ、確かに天才な気するしな」とポジティブに生きてきた。少し大きくなった頃に「特別な才能が無いなら顔を見せるなってことだね」と母に解説された時に「えーっ!??!」となったが、確かにそれ以来祖母は私の家に電話の一本すらくれなくなってしまった。

でも別にそこまで悲しくなかった。あんまり優しくされた覚えがない上に、弟に至っては祖母の記憶すらほぼ無いからである。母は悲しんでいた気がする。

流れが変わったのは、祖母が私が小説家になったと知ったからだった。新聞経由でバレた。楽探の時は写真写りの悪さでバレなかったので、何事もプラスの面がある。

祖母を名乗る人から出版社経由で手紙が来て、電話番号を教えたのだが「あなた、文化人になったのね」だった。

その瞬間、この人は長い長い伏線回収を期待していたのだなあという気持ちと、自分の中にある約束のようなものを果たしたら本当にちゃんと連絡を取ってくるんだなあと思った。一貫性がある。色鉛筆だろうがキーボードだろうが、概ね合格ラインの特別さだったのだろう。

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