仄聞憑依【序章】
電車に乗っていたあなたが目を覚ますと、その電車は丁度停車したところだったようです。
しかし、こんな駅は知りませんね。
わ
どうやら電車に乗っているうちにあなたは眠りにつき、そのまま寝過ごしてしまったようです。
しかし寝過ごしてしまったのはあなただけではないようで、他にも9人。
同じように困惑しています。
急いで下り線に乗り換えなければならない!
そこにいる方々も同じように考え、みんなでその駅に降りることにしました。
そこにいる誰も、この駅を知らなかったのですから賢明な判断です。
降りた瞬間、あなたの体に嫌な感覚が走りますね。
それはおぞましい感覚でした。
周りを見ると、あなたと同じような表情をした方がいることでしょう。
このままここにいては危険だ。
あなた達はそう考え、電車内に引き返そうとしますがもう遅いのです。
電車は、発車してしまいました。
これからどうしましょうか。
あなた達もそう考えていると、ふと別の視線を感じます。
仄聞憑依【序章】2
そこにはあなた達を見つめる二足歩行の獣がいました。
頭には麻袋を被っており、なんと動物なのかよく分かりません。
服も着ているようです。
コスプレをしている人間なのかと思いましたが、その生き物が近づいてくると仄かに獣臭がすることがわかります。
「ワゥ…キミたちだれ?」
そういえばお互いにまだ、自己紹介をしていません。
これからお互いのことを知っていきましょう。
あなたはこれから奇妙な感覚につつまれることがあるでしょう。
変なものを見るかもしれません。
しかしそれがなんなのか、今はまだわからないことでしょう。
あなたはこれから、ここで生活をしなければなりません。
そしてある時からあなたは。
毎晩、夢を見るようになることでしょう。
〚仄聞憑依 序幕 了〛