中学生がテレビのインタビューに答えて、「マスクを外しても良い」ではなく「マスクを外しなさい」と言って欲しい、そうでないと、周囲の人と同じようにするためにどうしたら良いか分らないから、という意味のことを言っていた。
そうすると、教師も「マスクを外しても良い」という指導ではなく「マスクをしなさい」「マスクを外しなさい」という指導がしたい、と言うのだな。そうでないと、生徒が困ってかわいそうだから、と。
この、万難を排して少数派になることを避けなければならない、という生活態度はどこから来たのだろう。
稲作中心の農業共同体における生活の知恵だ、というのは、うん、まあ、そういう事は多いな、と思う。
季節の推移と稲の生育段階とを考えると、ある時季にすべき農作業は決ってくるから、周囲の農民と全く違うことをやると失敗する可能性は高くなる。あんまり考えなくても、経験豊富な先輩の真似をしていたら、そんなに大きな失敗はしない。
水利の問題はもっと大きいかな。万一、仲間外れにされたら、必要なときに必要な水が得られなくなってしまうから、農村共同体において少数派になることは、やはり、リスクが高いだろう。
しかし、だな、「ここは危ないと思ったらマスクをする」「大丈夫と思ったらマスクを外す」という、それだけの事なのにね。