若い時に文庫本で読んだヒルティ先生の『眠られぬ夜のために』だったか『幸福論』だったかに、

人と和解するためには、ほんのちょっとした贈り物が効果的ですよ

というライフ・ハックが書かれていたのを何故かよく憶えている。

『そのとき、日本は何人養えるか?』の著者篠原さんも、彼のお父さんの言葉として、同じ趣旨のことをツイッターで書いていた。

二人ともいわゆる政治的な人間からは程遠い人柄であるのだが、贈り物というものが人間関係において果たす絶大な効果について肯定的に言及しているところが面白い。

私としては、更に一歩進めて、贈り物の中でも食べ物がいちばん良い、ということを付け加えたい。

ほら、キリスト教でもパンと葡萄酒を振る舞うでしょう? あれが無かったら、いくらイエスの教えが素晴らしくても、ここまで普及はしなかったんじゃなかろうか。そもそも、聖なる饗宴なしの宗教は考えられないでしょう。

そういう理解の下、集落の自治会長である私は、身銭を切って住民や役員に旨い食物を提供することを厭わないようにしている。実際、そうやって、こちらには敵意が無いことを示すと、相手方の秘められた敵意や警戒心が解けて、物事が少しだけスムーズに進むようになるのだ。

(何だか言ってることが田舎の有力者じみてきた)

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集落の自治会長として自腹を切って贈った食べ物で一番喜ばれたのは、夏の盛りにお寺の掃除をしていた婦人会の人たちに持って行ったアイスキャンデーだった。スーパーなどで売っている、5本か6本が1箱に入っている安いやつです。あれ以来、集落の女性たちがいろいろと話をしてくれるようになった気がする。

時と場合によるけれど、あんまり高価な物じゃない方が良いんだろうな。経済力を見せつけているようで、反発を受けることもあると思う。

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