日本時間の土曜未明、NASAとボーイングの会見が行われ、スターライナーについて最新情報が示された。
結論から言えば、スターライナーの地球帰還はさらに数週間延期とのことである。
スターライナーでは、今まで大きく分けて2つの問題が起きていた。ヘリウム漏れとスラスタ(ミニエンジン)である。
ヘリウムリークに関しては、ISS係留中は止まっており、帰りの数時間の飛行に必要な分は残るとのことだ。
スラスタについては、今後地上で再現実験を行い、トラブルが解決できたか確かめる。
後者の実験に数週間かかるために、帰還が延びるということである。
会見ではミッション責任者のスティーブ・スティッチが「スタックではない」と強調する場面があった。
前回のふんわりとした延期発表以降、複数の現地メディアが「宇宙船が不具合でスタックされ、帰れなくなっている」との記事を出したので、その火消しのためであろう。
中には「中国の宇宙船が助けに行く」などと明らかに荒唐無稽な飛ばし記事を書いている三文ネットメディアもあった。
当局の説明不足、コミュニケーション不足感は否めない。
ラジオの記者が「(実質スタックだし)スタックという言葉の禁止をわれわれに強制することはできませんよ。馬鹿げている」と強い言葉をかけるシーンもあった。