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「ザリガニの鳴くところ」を Audible で聴き終えた。素晴らしい名作で語りも美しく、途中何度も涙させられた。
主人公を取り囲む過酷な状況や環境も、コーンミール一袋が12セントで買えた1950年代であれば、十分なリアリティがあるのだろうと想像する。裁判に引き出された彼女の弁護士の、最終弁論の尊さたるや。
そして何もかも終わり、湿地の少女が本当には何者だったかがわかる「その後」のストーリーも涙なしには聴けなかった。なぜ彼女がそうなるしかなかったのか、他の方法はなかったのか。

なかったのだと思う。

彼女の心細さや苦しみ、人間として、女性としての辛さや葛藤は、おそらく主人公と同じ時代を生きた70代の著者だからこその深みをもって語られ、心を揺さぶる。久しぶりに読書だけがもたらす大きな喜びを感じられる時間だった。

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