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福田里香『フード理論』、色んなとこでその名を聞くワリに未読だったので今回の文庫化のタイミングで読んだ。
著者は料理研究家であって人文や評論畑の人じゃなかったんだね、もっと体系的にまとめられてるかと思ってた。気ままなエッセイに近い。面白い指摘や脱線話もあるんだがやはり思想とかスタンスが色々と“古い”し(単行本は2012年発売)、すべて具体的な作品名を出す訳ではなく基本「どこかで絶対見たことある気がするよねこんなシーン」のみで理論展開してそれが延々と続くのでなんとも覚束ない。気軽な読み物。

……あと最後の章「極悪人は食卓を慇懃無礼に扱う」の扉絵が好みすぎて見た瞬間心臓を掴まれた。(画 オノ・ナツメ)
ファンアート描いていい?描きますね?

自分が初めてフード理論を知ったのは多分、坂本葵『食魔 谷崎潤一郎』(新潮新書)かな。
食の表現についてのアレコレを読むのが好きな人であれば、タニザキをあまり読んだ事がなくても楽しく読めるんじゃないだろうか。おすすめの名著。

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