青空をバックに戦闘機が白い軌跡で器用に模様を描いていく。何度目かの戦勝記念日を俺たちは地上で祝っていた。
「俺もアイラブユーとか描きたかったな。地上の恋人への密かなメッセージってときめかない?」
隣のファリアにそう笑いかけると、意味がないなと言う。なんで?って思うまもなくファリアは
「お前が飛ぶ時は俺も飛んでるからな」
空を見上げる頃には消えかけてるだろ?
ファリアは特別機嫌の良いときに見せる表情で、回りくどいメッセージより隣にいる今言ったらどうだ、と笑うから俺はその愛らしい耳に口を寄せてとびっきり甘く愛の言葉を囁いた。