まだ半分もお湯の溜まっていないバスタブにファリアは体を浸した。膝を抱えて暫く待つと体が温まってきたので寛いだ姿勢を取ったが背中に当たったバスタブの冷たさに思わず声が出た。「だからもうちょっと待ってって言ったのに」バスルームに入ってきたコリンズが笑いながら言った。
コリンズがファリアと向かい合うようにバスタブに入ると丁度いいくらいの湯の量になった。「ファリア、ほらこっち来て俺にもたれてよ」コリンズが両手を広げるとファリアは素直にその腕に収まる。湯で温めるまでもなくコリンズの体は温かい。
「俺、こういう時幸せだなぁって思うんだよね」このままずっとお風呂に入ってたいくらいとコリンズが言う。ファリアも同感だった。こんな風に後ろからコリンズに抱き抱えられるのが実はとても好きだった。コリンズに体を預けて目を閉じる。二人が一つになったようで気持ちがいい。
「それはそうとしてね、俺は早くファリアを抱きたいんだけど」とコリンズがファリアの耳元で囁くのにそう時間はかからなかったが、それについても全く同意だったのでファリアは振り向いてコリンズに口付けた。