あの日以来、海が嫌いになった。溺れそうになったからではない。空と海で経験した辛いことを全部海に押し付けることにしたからだ。空を嫌いになるわけにはいかない。今ここにいない彼らと強く繋がりを感じられる場所だから。どんなことが起ころうと、空は泣きたくなるほど美しくて嫌いになれない。
「なぁコリンズ、久しぶりに海水浴に行かないか」ファリアの言葉にもう長いこと海に行ってなかったと思い出す。そうだね、そろそろ嫌ってたことを謝る頃だ。ファリアがいれば世界は本当の美しさを取り戻す。「俺、空から海がキラキラしてるとこを見るの好きだったんだよ」