『破壊の自然史』『キエフ裁判』後者について前評判でニュルンベルクに比べて被告らが素直に罪状を認める云々と読み実際その通りだが。「村を全滅させたのは何故か」「パルチザンが武装して襲ってきたから」「それは女こどもまで殺す理由になるか」「パルチザンの村だから絶滅させなければならなかった」、少年と言ってもよいほど若い兵士が「部隊の中で自分が最年少だから、年上の下士官たちに示しをつけるため」残虐行為に勤しんだと。やらなければ自分が死刑になったであろうことを分かってほしいと。思考停止の終着点だ。
観衆ひしめく広場での絞首刑の熱狂は、バビヤールコンテクストで見て焼き付いて離れなかったので、今回はトラックが前進する瞬間に目を瞑ってしまった。この光景から逃げないのがロズニツァなんだろうな。縛られた手首が痙攣する。へし合う群集が首吊り死体の下をひとりひとりくぐっていく。そのうねりに吊られた塊が揺れる。
見たもの読んだもの聞いたものの記録