韓国の童謡 달아 달아 밝은 달아 (月よ月よ輝く月よ) のメロディが頭の中を回って離れない.これは作者不明の古い歌のようで,単純なメロディを繰り返すのだが,メロディはオクターヴをフルに動いて4度の跳躍を2つ伴っていて,しかも三拍子である (もしかすると五拍子かもれない),という,バルトークの採譜した東欧の音楽には出てきそうだが,日本の民謡には絶対に無い,と断言できるものである.にもかかわらず,聴いているとすごく懐かしい気持ちがしてくる.
歌詞には突然のように李白が出てくるが,これは李白が水に映った月を拾おうとして溺れて死んだ,という伝説の連想だろうか.李白のこの伝説は民衆に浸透していてそれが歌詞に現れたのか,それとも,歌詞を作った漢語のできる人がいて,この人の名は忘れられた,ということなのか.
歌詞は,천년만년 살고지고 (千年萬年,生きながらえて) という祝言のリフレインで終わっている.