有栖川有栖『絶叫城殺人事件』ネタバレる
『絶叫城殺人事件 (新潮文庫)』有栖川 有栖
再読。作家アリスシリーズ第11作目。「殺人事件」というタイトル縛りの短編集。冷え冷えとするオチの『黒鳥亭』、見た目のインパクトと正統派密室トリックの『壺中庵』、映像で観たい&「えっ、そっちの名前?」な『月宮殿』。『雪華楼』は「たまたま」「刹那」の残酷さを感じる。意図しない庇い合いが事件をややこしくする『紅雨荘』。そして表題作、終始何とも言えない不穏感に満ちていて、一番「現代」に繋がる作品。といっても、もう20年以上前の作品なんだけどね。正直、現代はこの『絶叫城』の時代より酷くなっていると思わざるを得ない。
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