「侍女の物語」 “侍女”の日常を通して描写されるディストピア。纏わりつくような閉塞感と緊張感を追体験しながら読了。へろへろ。 その日常描写の積み重ね表現が、反抗心や自由への思いを綺麗に摘み取っていく。上手い、しんどい。 そして架空ではなく、あり得るのでは?と思う現実味のあるディストピアが恐ろしい。 不条理な世界に属しながら生きていくしかない彼女の運命……何度もラストに想いを馳せる。 構成が大成功な作品なのでは。以下ネタバレ #読書 

過去でも大勢いる妻であり母である女性の1人、現在は一介の侍女が得られる情報や知識は限られていて、この世界に何が起きてこうなったのか/この世界のルールなどは、その彼女が語ることしか私達には分からない。
ギレデアのことも限局的で断片的な言葉から少しずつ想像するしかないので酷くもどかしく不自由だけれども、それは彼女がまさに感じていることでもある。
“発掘”された他の情報からもオブフレッドがどうなったのかは誰にも分からない。でも、彼女は自由になったと思いたい。

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