社会人になってからの、仕事に直結しない読書や手習いといった学び(学問)が、生活にゆとりがないと出来ないという問題、いまの新自由主義的な経済構造と社会構造による労働力の搾取が続く限り解決しないものだし、さらには企業側も政府も余裕を搾取する構図を解決するつもりがないのでどんどん格差が広がってしまう。
会社にとって必要な知識(スキル)だけ得る、心身ともに健康で会社と政府に献身的な成人とその予備軍のみが快適に過ごせる社会って歪んでると私は思うし、ついエンデの『モモ』を悲しく思い出してしまう

さらには、この余裕が搾取される構図は趣味でも同じことが言える。
今日たまたまツイッターで「推し活と搾取」の話が流れてきて、サバイブするための繭がいわば盗まれ奪われてしまうようなことで

「ていねいな暮らし」や「自分で自分の機嫌を取る」と「推し活」が同じカテゴリなのはたぶんその通りだし、そうして政治や社会によって追い詰められたギリギリの状況から繭を作る行為が、逆説的に政治や社会を透明にしていき、そうした問題や原因を漂白する「素敵」な行為が推奨される悪循環。
推し活は文字通り命と心を救う営みなのだけど、それを「趣味」の枠に留めるだけの余裕(経済、社会や政治ともに)を若年層や女性に与えず、一方で余裕のある層が漂白された暮らしを謳歌出来るの、新自由主義に「趣味」ががっつり呑み込まれた証だなあと思う
趣味は没頭と陶酔という側面があるゆえ現実の問題を一時的に切り離す機能があるけど、その生のガード機能が新自由主義などにハックされてるというか…。推し活やていねいな暮らしの紡ぐ繭に救われてる人が確実にいるからこの状況は悩ましく、推奨で社会・政治側の問題の棚上げに利用されたくないなあ…

社会のことや政治のことは表明せず(口に出さないだけでもだいぶ気持ちは違う)、推しやていねいな暮らしで漂白されたポジティブな暮らしをするの、とても健康にいいのは間違いない。ただそれは強者、マジョリティの特権で、声にしないと社会とマイノリティが追い詰めらるのも間違いないんだな…

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