町山智浩氏が言ってるニューシネマの特徴が反家父長制であるっていうの、そうなのかあ?って思う。
たしかにニューシネマの主人公って家父長制的な価値観を体現するって感じじゃないアウトローや流れ者だけど、アンチ家父長制って感じでもないし、それを言うならジョン・ウェインの西部劇だってそういう主人公だったりするし、単に青年が一度家を出て冒険するっていう過程にあるだけにも見える(物語上ではニューシネマの主人公は若くして死にがちだが)。さえぼう氏も、反家父長制がアメリカン・ニューシネマの特徴だとは思ってなくて父と息子の反目はアメリカ演劇でよくあるテーマだと言っている。
ところで自分は昔は町山氏のことはファンってほどではなかったがそこそこ好きでネットラジオとかをよく聞いてたんだけど(『ハロルドとモード』もそれで知ったと思う)、「ちょっとこの人ダメだな」って距離を置くようになったのはラジオかなんかで『ブルーバレンタイン』って映画のことを語っていたとき、そこで町山氏の主張していることが思いっきり「ザ・資本主義下での家父長制」って感じだったからだな。男は仕事してたくさん稼いで妻に認められねばならない、って感じのことを言ってた(町山氏や町山ファンは本質はそうじゃないみたいな言い訳をするかもしれないけど)。
それに加えて、町山氏が「マニアックな趣味の女がいたらそれは男の影響」みたいなこと言ってるのを聞いたときにもドン引きしてこいつダメだと思ったよ。