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浅倉秋成「六人の嘘つきな大学生」読了。あまりネタバレはないつもりだけど一応。 

ミステリとしてはやや後出し感もあるけれど、全体的には気軽に読めて面白かった。

月の裏側は地球からは見えないが、クレーターで凸凹だという。
裏側を見てしまって落胆することもあるかもしれない。
でもだからといって、美しい月の表側が嘘だというわけでもない。

この小説のような就活や面接はもちろん、試験や受験だって人との出会いだって、何でもそうだと思う。
人格や実力、人となりなんてものが、そう簡単に見て取れるわけがない。判断する側だって、しないわけにもいかず何とか判断している部分があるのだろう。
結果には、めぐり合わせや運にタイミング、思い込みなども影響する。
面接で嘘をつくかどうかは人それぞれだとしても、「表側」を見せようと取り繕ったりいつもと違う自分を演じたり、ということは誰しもあり得るだろう。また、目に見える言動にだって、説明されない(時には意外な)背景があったりもする。

何かしらうまくいかなくても、これは自分か相手の「裏側」が少し出てしまっただけで、自分には(そしておそらく相手にも)違う面もあるんだ、と次へ行けるくらいのメンタリティで生きていきたい。

…と言いつつ、つい一喜一憂してしまったりもするのだけれど。

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