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三浦しをん『舟を編む』再読。

以前に一度読んだのだけれど、最近『新海さんの謎』を読んだ際に、辞書つながりでこちらも読みなおしたいと思い出していたので。

『舟を編む』に出てくる先生は辞書に人生を懸ける純粋な少年のようで素敵だし(家族は本当に大変だと思うけれど)、編集部の面々の辞書編集過程はやはり面白かった。細部までこだわった語彙の説明とか、最適な紙選びとか。

自分も子どもの頃、家の本を読みつくしたら辞書をめくっている変な子どもだった。当時は主に『広辞苑』で、これが意外と面白かった。
今でも新しい辞書を買うとテンションが上がる。オンライン辞書も電子辞書も良いし、実際よく使うのだけれど、一番嬉しさを感じるのはやはり紙の辞書。ページをめくる嬉しさのあまり、英和辞典をaから読もうなどという無謀な試みを始めたりもする。もちろん早々にギブアップし、ab…くらいで終わるのだが(早すぎ)。
そういった辞書も、『舟を編む』のように作られているのかなと思うと感慨深い。

そして、作中の「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」という台詞にはとても共感。
自分の場合は、言葉の海を漕ぎ渡っていくというよりは、いつもフラフラ漂っている感じだけれど、様々な「舟」に助けられつつ行方を定めず漂うのもまた幸せな航海だと思う。感謝。

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