『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ネタバレ感想2
後半にかけても、どんどんテンポよくストーリーが展開していくため、ページをめくる手が止まらない。
とにかくロッキーと主人公のやりとりが良い。
悲しいことや残念なことは「悪い」「悪い」と互いに慰め合うことができ、良いことがあれば「よい」「よい」と共に喜ぶことができる嬉しさ。トラブルがあって落ち込むことがあっても、相談しながらプロジェクトを進められることの心強さ。
主人公の内心の思いは作品内で語られるが、ロッキーの内心にも思いを馳せる。
ロッキーにとって、思いがけず新しい「友だち」ができたことは、いかばかりの喜びだっただろうか。
そして、クライマックスで船体の外から聞こえた「友だち」の声は、それこそどれほどの「しあわせ」だったことだろうか。
身体を弾ませるロッキーを思い浮かべる。
「しあわせ」「しあわせ」と言い合えることの幸せ、「おやすみ」「おやすみ」と言う相手がいることの安堵を噛み締めたい。