そろそろ2024年の顔になりそうな「ふつうの軽音部」ですが、タイトルにあるとおり「ふつう」という言葉に強烈なメッセージをこめていて、この言葉には

①凡人(ふつうにはなりたくないのに、そうならざるを得ない辛さ)
②同調圧(ふつうでいなければならないのに、そうみなされない辛さ)

というふたつの(真逆の)ネガティブな意味合いがあると思うのですが、この両方の視点においてポジティブな意味をもたせようとしてるのがすごいんですよね

過去のバンド漫画を例にとっても、テーマは①と②のどちらかに振り切るのがセオリーだったと思うし、だから

①……BECK、日々ロックなど「才能」もの(バジーノイズとかの業界ものもこの変種)
②……けいおん!、ぼざろなど「日常」もの

のふたつはそれぞれメッセージが真逆に見える。①は一握りの天才だけが世界を変えられるという才能礼賛に、②は楽しければいいよねという内輪ノリに陥りがち。

でも「ふつうの軽音部」がやってるのは、

①→あなたの人生にある〝ふつう〟のありふれた悲しみや感動を衝動のまま歌うことこそ天元突破の道なんだぜ
②→イヤな奴もヘンな奴も、家族や嗜好のマイノリティも、みんなひっくるめて〝ふつう〟のことじゃないか

という、両立しえないと思われた①②両方でのポジティブメッセージで、このスタンスはとても2024年らしいと思うし、独特の清々しさはここからきてるんでしょう

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そっか、創作こそ「オフィシャルな評価を得ること(≒才能論)」か「自分が楽しむこと」かの二択で語られがちで、だからそのふたつを分ける必要ある?という問いかけとして「ふつうの軽音部」を読んでるんだにゃ、わたしは……

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