1983年任天堂ファミコンこそが、もはや消えると思われた家庭用ゲーム市場を不死鳥のごとく復活させ、世界市場を作った唯一無二の存在である。「世界市場を作った日本製品」という意味では、ウォークマンにもVHSビデオにも引けを取らない成功事例と言える。
1980年代末の「世界家庭用ゲーム市場」における任天堂のシェアは90%を超える。
1社が世界市場の9割を独占するというまれな市場環境は、間違いなく1980年前後の山内溥1人のオールイン戦略から始まったものだろう。
任天堂は1990年代売り上げ5千億円規模をキープ、そしてWii・ニンテンドーDSによる1.5兆円売り上げという爆発的な成長(2007年は日本企業の時価総額でトヨタ自動車に次ぐ2位に輝いた)、その後スマホ普及やモバイルゲームの台頭による辛酸をなめる時代が続くも、2016年Switchによる再びの復活で2020年度は過去最高売り上げに並ぶ1.76兆円、営利では歴代最高の6400億円に到達している。