その昔、私が少し関わっていた某業界(完全男社会)の風習に、新人が童貞だった場合はカンパを集め高級風俗店へ行かせるというものがあった。その心は周りの大人に対するコンプを払拭させると共に適度な自尊心を養わせる事で、様々な人と円滑なコミュニケーションが取れる様になる、というモノだった。
幸か不幸か私がそこへ入った時は既に非童貞だったので高級店には入れず、後輩に寄付するだけであったが、後輩達が対人コンプを克服し仕事やコミュニケーションが円滑に変わる様子を何度か見てきた。
勿論、全てが上手くいくとは思わないという前提は消えないが、男にとって適切且つ幸福感のある性体験というのは、人格形成にも大きな影響を齎すもの だという事を実感させられた。
そしてそれにより養った適度な自尊心は、健全な自己愛を生み出しそれはまた相手を思いやる余裕や共感力をも育んでくれるものかも知れない。
最近の表自界隈やアンフェミの主張を見ていると、先述した余裕や共感力をほぼ感じる事が出来ず、それは健全な自己愛を持てていない事を思わせる。

業界にあった風習は、今でこそ決して褒められる事ではないしある種のハラスメントにも成りかねぬモノだが、生身の異性とのコミュニケーションの大切さを思い出すにはとても貴重な経験をしたと、今になり実感させられている。