読書メモ。
小林一枝著 (2011)アラビアンナイトの国の美術史 増補版イスラーム美術入門 (八坂書房、全9章)
第5章 海のシンドバードの冒険 東西交易の主力商品、絹•香料•陶器
…の部分を読了
・陶器は土器に釉薬をかけたもの、磁器の方が(中国以外ではなかなか作れず)珍重
・白地にコバルトの染付に関しては中国起源説が有力だが、イスラーム世界起源説もあるらしい
・イスラムの多彩釉と中国の唐三彩の違い➢刻線文、唐三彩は非実用的(人形等)、※明確な染め分けが多い印象
・ラスター彩
➢金銀銅を禁止された反動で生まれた
「鉛を含んだ錫釉でととのえた陶器の白い器面に銀や銅などの酸化金属を含む顔料で図案を描き焼成、さらにもう一度、低火度の強制還元焔によって焼成する(煙を多く出して焼成する方法)」+胎土や顔料の調合も複雑で技術的に難しい
・オパール現象➢釉薬の表面に描かれた顔料(絵具)の薄い被膜が還元焔によって金属にもどり、光線を複雑に反射する
・ミナイ手陶器➢12c-13c 西アジアで短期間つくられた釉上多彩陶器。ミナイ→エナメル(上絵の絵付に使った顔料)。絵巻物みたいな物語要素のある絵付
・写本挿絵の様式と酷似
➢挿絵画家と絵付け師が同じ工房で働いていた、もしくは兼任であった可能性大