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"抗いがたい大きな歴史の流れの中で生きた居住人・寄留民の歴史経験をひもとくことは、権力や社会構造が個人の生き方をどのように規定したかを明らかにすると同時に、権力や社会構造に完全には組み込まれない個人や集団の主体性と自律性を明らかにすることでもある。本書は、社会と個人のダイナミックな関係性を、長期的な歴史の中で捉える歴史人類学的研究である。"

琉球・沖縄寄留民の歴史人類学 玉城 毅(著) - 共和国 | 版元ドットコム
hanmoto.com/bd/isbn/9784907986

"研究の時間枠組みは、近世琉球の基本的な制度が出揃った18世紀初めから、寄留民の生活スタイルが大きく変化しはじめる1950年代までを中心とする。3世紀にわたるこの期間は、一般的に「近世」「近代」「現代」と区分される。これは、政治体制の転換とそれに伴う大きな社会変動を指標とした区分であるが、居住人・寄留民の歴史経験からみると、ある種の連続性が認められる。本書では、何が持続して何が変化したのかに注目しながら、居住人・寄留民の歴史経験を捉える。それによって明らかとなるのは、歴史学的な沖縄研究では見えなかった新しい琉球・沖縄史像と、これまでの文化人類学的沖縄研究が捉えてこなかった階層文化としての親族である。"

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