「こうした難しさのためにマイノリティの歴史は、直線的な時間軸にそって進めることができない。さまざまな時代を行ったり来たりしながら、断片を拾い集めることで立ち上げていかざるをえない。 歴史資料からマジョリティの姿を読み解いてきた歴史学には、マイノリティの姿を析出するための蓄積はあまり多くない。 ではこうしたマイノリティの歴史研究において、ゲームはどのように参考になるのか。 記録が少ないゆえにマイノリティの歴史を考えるには想像に頼ることになる。この想像の仕方がゲームを遊んだり作ったりすることにとても似ている。どちらも現実を題材に色々な可能性をインタラクティブに探る。 ゲームでは目の前でストーリーが生まれていく様子が描かれる。選択肢やプレイの仕方によって、個別に異なる「歴史」が生まれる。ゲームが作り出す体験や語りはバラバラなものでありながら、一つのゲームとしての方向性をもっている。」
—『フェミニスト、ゲームやってる』近藤銀河著
https://read.amazon.com/kp/kshare?asin=B0D49F9BDZ&id=jzsruvngcbdx3clydzyny7jwry