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"文化地理学者のデレク・グレゴリーは、エドワード・サイードを引いて、「他者」を飼いならすために差異を距離に還元するこうした植民地主義的な表象の過程を指して、「想像的地理」という概念を案出した。日本における沖縄の周縁性も、同様の過程を通じて、地理的に自然化されたといえるのではないか。物理的分離が遠い場所の生きた現実を抽象化することを可能にする想像的地理の過程は、メディアがいかに「われわれ」とは異なる顔のない「彼ら」の空間として沖縄を脱政治化し、生きた特殊性や複数性を欠いた場所へと還元しているかを明らかにする。これによって、沖縄における日本と米軍の覇権的な存在が可能となり、永続化される。"

阿部万里江『ちんどん屋の響き』 p.251

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