今日休んだらしゃかりきに働きますんで許してくださいの気持ち
隊長の惚気(部下の受難)
国の賓客にとやってきた王女が自分の警護に隊長を指名してきた。
ドーランに来るのは初めてだから、隊長にエスコートをお願いしたいと。
隊長は、自分は妻帯者な上に新婚であるため、誤解を生むような指名は受けられないと団長経由で断った。
しかし、推しが強く彼ではなければ今回の友好のための訪問はなかったことにすると言い張ったために仕方なく隊長は折れたようだった。
しかし隊長が何度窘めても改善しない距離に、今日の訪問予定がハーレということもあり、隊長は比較的必死に距離を置いていた。
しかし、女は怖い。受付に座る奥さんであるヘルさんににこやかに話しかけながら隊長の腕を取り距離を詰めている。
隊長の顔は必死にヘルさんに視線を送っているがヘルさんは普通に見えた。不快も滲ませずに既に夫である隊長に興味も無さげなのだ。
流石に隊長を不憫に思って、自分が誤解を解くぞって気持ちで「あれは隊長も嫌々で」って声を顰めて言えば、ヘルさんは困り顔で「わかっています。アルウェスは私のこと大好きですから」って言われてしまって、隊長聞いてましたか??!?!って振り返れば地獄耳な隊長がこっちをガン見してるのと目が合ってしまって良かったですねとグッと親指立ててしまった部下くんでした。
隊長の惚気⑤
「可能なかぎり、帰りに花屋に寄って花を買って帰るんだ」
「隊長はどんな花を選ぶんですか?」
「そうだね。その時の彼女に似合いそうな花を選ぶよ。今日は今日の朝、少し喧嘩をして怒らさてしまったからカモミールの花を贈るよ」
「受け取ってくれますかね?」
「僕の奥さんは、そういう時は決まって花に罪はないからって貰ってくれるんだ」
「ヘルさん優しいですね」
「奥さんに無視されるのは堪えるからね。僕が謝って元通りになれるならすぐ謝りたいって思うよ」
「口聞いてくれないとかあるんですか?」
「しょっちゅうくだらない事で喧嘩するからね」
でも、自分も悪かったって彼女もすぐ謝ってくれるしその後は仲直りしよって、いつもよりも甘やかすのを許してくれるからついつい構いすぎちゃうんだよね。
と笑う隊長は本当に奥さんのことが大好きなんだなぁとしみじみな部下くんでした。
隊長の惚気④
王城で開催する夜会の警備に就いた部下くん。
夜会の参加者として、隊長と奥方のヘルさんを見かけた。普段の制服とは違う貴族の装いの隊長は本当に華やかで並の女性では霞んでしまう。
ヘルさんは隊長の隣でそれ以上に輝いて見えるのだからこの人が平民出身とか嘘だろっておもってる部下くん。
面識があるので部下くんに気づいたヘルさんが笑顔で会釈してくれて。
可愛いなぁと思ってたら、冷え冷えとした殺気が飛んできて後ろの隊長がめちゃめちゃ睨んでて青ざめる部下くん。
ファーストダンスを踊ったあとも奥さんの隣を離れずにダンスホールの脇にある料理をサーブしてあげたり、友人たちの元へエスコートしたり常に隣に居座ってる隊長に余裕がないなぁと思いつつもあんなに美人な奥さんだと不安にもなるかぁと納得の部下君でした。
好きなものを好きなだけ。よく見えないものが見えてますがそっとしといてください。食べ物と推しの話しかしない。