隊長の惚気(部下の受難)
国の賓客にとやってきた王女が自分の警護に隊長を指名してきた。
ドーランに来るのは初めてだから、隊長にエスコートをお願いしたいと。
隊長は、自分は妻帯者な上に新婚であるため、誤解を生むような指名は受けられないと団長経由で断った。
しかし、推しが強く彼ではなければ今回の友好のための訪問はなかったことにすると言い張ったために仕方なく隊長は折れたようだった。
しかし隊長が何度窘めても改善しない距離に、今日の訪問予定がハーレということもあり、隊長は比較的必死に距離を置いていた。
しかし、女は怖い。受付に座る奥さんであるヘルさんににこやかに話しかけながら隊長の腕を取り距離を詰めている。
隊長の顔は必死にヘルさんに視線を送っているがヘルさんは普通に見えた。不快も滲ませずに既に夫である隊長に興味も無さげなのだ。
流石に隊長を不憫に思って、自分が誤解を解くぞって気持ちで「あれは隊長も嫌々で」って声を顰めて言えば、ヘルさんは困り顔で「わかっています。アルウェスは私のこと大好きですから」って言われてしまって、隊長聞いてましたか??!?!って振り返れば地獄耳な隊長がこっちをガン見してるのと目が合ってしまって良かったですねとグッと親指立ててしまった部下くんでした。