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落つ鳥、籠に仕舞えど① 

「私のアルウェス様なのに!」
そんな言葉を聞いた気がして振り返る。
伸びてきた手が胸元を飾る宝飾品を引きちぎる。
ああ、これはアルウェスが私に…結婚したからと贈ってくれた首飾りで…。
頭上には大きな影で、見上げるのと同時に防護魔法を放とうとした私はつるの魔法に体の動きを封じられて。
遠くにいた夫になったばかりのアルウェスと目が合う。こちらに手を伸ばす彼は中々見ない表情をしていた。
あんな顔いつ以来かしら。もしかしたら見たこともなかったかもしれない。後でからかってやるんだと思っていた。

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夫婦になってからの初めての夜会。
妻になったナナリーにドレスを贈って、髪飾りもパリュールも全て彼女のために誂えた。
挨拶も終わり彼女を少し休ませてあげるために、自分は用事があるからここで料理をつまんでおいてと彼女の近くを離れた。
しばらくして、聞こえた女性の悲鳴のような言葉に振り返る。
最愛の妻に飛び込む女とその頭上には鎖から解き放たれたシャンデリア。
魔法を使う姿勢を示す彼女の動きが止まる。
悲鳴が飛び交う中、僕の手から魔法が放たれる。

美しい海の瞳と目が合う。
すると、美しい笑みを浮かべた。
見た事のない笑顔だった。

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