偽物のアイツ
ハーレへ舞い込んだ依頼が他国での素材集めだったナナリーはいつかのように海を渡ってドーランから数国離れた地に来ていた。
そこは高地で、大樹の上に街が築かれていた。
ハーレの依頼は事前調査がありきで、破魔士に依頼を出す前に職員が下調べをする。今回の素材は大変貴重なもので売り買いできるものではないはずなのに、その国ではあるお店で普通に手に入るのだとか。国外に出られない依頼人の代わりに誰かにお願い出来ないかとハーレに託されたわけである。
しかし、そんな代物は眉唾物で、下調べをしっかりするべきだろうということでナナリーはチーナと一緒にその国へとやってきた。
期間は1週間程度なので軽い旅行である。
その国に入りまずは店へ行こうと思えば、その街の大通りで人だかりに出逢った。
見覚えのあるような金髪と人だかりが殆ど女性であることから、なんだかアイツみたいだなと思っていれば誰かがアルウェス様よ!と言って固まるナナリー。
こんな所まで腐れ縁というか出会うのかと思えば人混みからその金髪の人物が出てきてナナリーは固まった。
「えっ、誰…?」
ロックマンの偽物と事件と色々に巻き込まれるナナリーのお話。
偽物のアイツ 補足
ナナリー
最近、6と婚約した。
仕事との両立とか、花嫁修業とか忙しい。出掛ける前に長期の出張とか聞いてない!って6に駄々を捏ねられて若干無理やりドーランを出てきた。
寮をそろそろ引き払う予定。
ロックマン
ナナリーとやっと婚約した。
今めちゃめちゃ幸せでこれからの生活のあれこれをナナリーと決めたいのに仕事と花嫁修業で忙しいって言われてすげなくされてる。
そんな折に1週間も国外に行くって聞いて、しかも本人からじゃなくてブルネルからだったのでとっても拗ねてる。
チーナ
憧れのナナリーと長期出張楽しみ!婚約したての美人な先輩が異国で変な輩に絡まれないように私が守ります!って思ってたら、出張先で金の王子様?!運命すぎる!さすが先輩!ってなってたら、別人で憧れの先輩がまたもや面倒事に絡まれてて哀れに思ってる。