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67(嫉妬に狂う金髪男) 

6とお付き合いすることになった7ちゃんには悩みがあった。6に相応しい自分じゃないということ。6は整った容姿に貴族だから所作も美しい。平民育ちで山や川で遊んで育った野生児とは訳が違う。実際色々と言われてきたし。
それでも恋人として過ごすなら、好きな人には少しでも可愛いと思ってもらいたかった。
6の前でいきなり変えるのはあからさま過ぎて恥ずかしいから、日々の生活を少しづつ変えようと仕事でも化粧をしたり髪の毛をまとめてみたりするようになった。6に恋をしてから美しさの桁が変わっていたが身なりにとことん気をつけるようになった7の美しさは瞬く間に噂で広がり、7があそこまで着飾っているのはハーレに来る誰かにアピールするためじゃないかと言われる。
しばらく任務で国を離れていた6と久しぶりのデートで気合いを入れて支度をした7。
到着するなり不機嫌そうな6は7ちゃんを引っ張ると公爵家の自室へ転移する。
君のスピードに合わせていくつもりだったけど、君が僕以外の誰かを選ぶって言うなら考えがあるって迫ってくる6に追い込まれる7。後ろには寝台があって…

67(嫉妬に狂う金髪男)② 

嫉妬に狂ってても無理やりなんて考えてもいない。勘違いだろうって7ちゃんにそんな器用な真似出来ないって冷静な部分では6も分かってるけど、実際に見違えるように綺麗に着飾ってきた7ちゃんを見てこれをほかの男のためにやってるって噂されてることに苛立ちはあって。少し脅かしてやろうとしてベッドに押し倒す。
「君が気になる男って誰?ハーレの職員?それとも破魔士かな…まさか騎士団とか言わないよね?」「アルウェ」「こんな格好しちゃって…君は変わらないのに」「!!」
少しでも6に可愛いって言われたくて恋人らしくなりたいって色々と頑張ってきたことを否定されて、真っ白になる7ちゃん。恋人になりたいって言っておいて、人の話も聞かないで私の事別に好きじゃないんじゃないってなる。
思いっきり突き飛ばして、それでも体格差もあって6の身体は少ししか傾かなかったけど、キッと睨みつけて「こんなことに一喜一憂してばかみたい」って。「私はただあんたに一言可愛いって言ってもらいたかっただけなのに」「え…」
びっくりして固まる6の元からすり抜けて部屋の隅まで走っていく7ちゃん。6が手を伸ばしても間に合わず転移でいなくなってしまう。
「…僕のため」
反芻した言葉に青ざめる6。

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