冬の妖精は冥府に迷い込む
キュイ
自らの周りだけ彩どりな花に囲まれた美しい女神の両手の上に白い丸い鳥がいた。
「どうしたの、それ」
「迷い込んだみたいなの。可愛いでしょ?」
「うん、可愛いね。でも、どうやって迷い込んだんだろう。小さい命にはここはつらい場所だろうに」
「そうね。この子、私といると少し元気になるのよ」
「君の暖かな加護を感じるんだろうね」
「ハーデスも触る?」
「…僕はやめとくよ」
代わりに君を腕に抱かせてと抱き寄せる冥王様に私は小鳥じゃないわってくすくす笑う女神様がいたとかいないとか。