いつか描きたい(ロクナナ妄想)
魔物のトラップに掛かったナナリーは、ロックマンの前で強制的に転移させられた。
目を開けるとそこは異国の地で、どうしてこんなことに…と思ってさまよっている所を異国の貴族に保護されるナナリー。
その髪色で、ナナリーがドーランの救国の魔女だと知られており、保護してくれた貴族はその国の公爵の嫡男だった。
物腰は柔らかで穏やかな性格、ナナリーを終始気にかけてくれた。
その貴族がドーランへ連絡をつけてくれて、返事は帰国するには遠い国だから、ドーランから迎えが来るというものだった。
その間この屋敷でゆっくりするといいともてなしてもらう。珍しい魔法に技術や伝統まで教えてもらいナナリーも退屈はしなかった。
そろそろドーランからの使者が着く頃、ナナリーのために夜会を開きたい言われる。
救国の魔女と言われても、平民だからと断るナナリーだが、押しが強くて決行することに。いつの間にか用意されたドレスと宝飾品。整えられてその公爵の嫡男である男のエスコートで夜会へ参加する。
そしたらそこにはドーランの使者として招かれたロックマンもいて。
ドーランの方々には折角来ていただいたのに申し訳ないのですが。と驚くナナリーの隣の男が言った。
「ナナリーさんには私の婚約者になっていただこうと思ってまして」
いつか描きたい(67妄想)③
何を言っているんだと!私たちは飯食い友達だ!と否定しようとしたら口からはモゴモゴという音しか漏れなかった。閉口術だ。
「彼女を誰にも渡すつもりも諦めるつもりもないんでね」
「この国には氷型は少なくて。私は貴族では唯一の氷型だったんです。私とナナリーさんが結婚して、子を成せば…」
「それはないです」
弾けそうな緊張感。いつの間にか閉口術は解けていた。
それでも、私が好きなのはロックマンで、私以外とキスする予定があるとか、そういうことが気になるのもロックマンだけだから。
「だから、私は貴方の婚約者にはなれません」
「おやおや、脈ありかと思ってたんですがね」
夜会が終わり今日は泊まって明日以降帰国することになったが、腰を抱いたロックマンは離してくれなくて、そのまま客間に入ってナナリーを抱きしめる。
「心配したんだ」
「こんなところまで来てくれてありがとう…」
「どこにいたって見つけるよ。君はとても目立つしね」
「…あと、あの…さっきの」
言葉は恥ずかしくて出てこない。
「あれはすべて僕の本心だから」
忘れないでいてね。とロックマンの抱きしめる力が強くなる。
苦しいけれど、好きな香りにもう少しだけ包まれていたくてそっと息を吸い込んだ。