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嫉妬しないと出られない部屋 

【嫉妬しないと出られない部屋】って扉にでかでかと書いてあった。
この部屋には私とロックマンの2人だけだ。
つまり、私かロックマンが嫉妬とやらをしなければ出られないらしい。
嫉妬…つまり
「…どういうこと?」
「君、そういう感情とは無縁そうだよね」
「バカにしてる?あんただって誰かを羨んだり妬んだりしないでしょーが」
「そうかな?」
「あるの…?」
「うーん、そういうのはないかな」
「やっぱり」
思わせぶりにこちらを覗き込んだルビーの瞳は感情の読めない色をしていた。きっと、ただ揶揄われただけだ。
「でもね、君のことは別だよ」
「私のこと?」
「そうだよ。今日、ハーレの受付で楽しそうに話していたよね。僕の誘いは断ったのにあの男に遠出に誘われて予定が合えばなんて答えてた」
「あ、あれは社交辞令で誘ってくれただけで…!」
「そうは見えなかったけど。じゃあ、その後声掛けてきた依頼人。親しげに君の腰に手を触れてたよね?」
「あれは直ぐに退けてもらいました!そういうイタズラが好きなのよっ!別にそんなんじゃ…」
ガチャン
「…え?」
ほら君には分からない。そう言って奴は私の手を引いて扉をくぐった。

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