日本の売れコンテンツで差別問題ネタやると、冗談としてナチが消費されたり、問題を矮小化していくんですよね。たとえば映画「プロメア」とか。差別描写に比して、主人公ガロは「リオだけは特別」扱いして逃げ道を作るし、結局あの世界でアイデンティティを失ったバーニッシュがどう生きていくかは描かれない。そもそもユダヤ人虐殺や障害者虐殺といったナチを彷彿とさせるネタを、ネタ消費として使っている。
というのを散々見せられてるから、「アークナイツ」や「リバース:1999」みたいな差別問題に向き合う、現政権の姿勢を批判するスタンスが露骨な中華コンテンツって、本当にすごいことなんだよな、と思う。日本でこういうコンテンツ作っても、日本中を席巻するレベルにまでは辿り着けない。ポリコレ笑 って扱いされてしまうから。
私が作家なら、反体制的かつ面白いコンテンツの提供者でいたいし、批評家ならそのようなコンテンツを紹介する側でいたい。そして、生ぬるさに浸かってあぐらをかいているコンテンツに対して、適切な批判をしたい。