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素面の春 / ワレカビン feat. 可不【サクラ】
nicovideo.jp/watch/sm43683126

いつもの調子では語りきれないので、きちんと文章にします。
が、あくまで一個人の感想です。適当に流してください。

言葉選びが本当に凄い。
私はもともと文章の方になじみが深いので、歌詞の比重が高いんですが、これは鳥肌立ちました。

「流れる季節を私は碌に拾いもせず」
ここでまずやられました。心ここにあらずといった空気が、あまりにも情感豊かに表現されていて。

「足が縺れ転ぶ先に孤独」
酔って転ぶ、それを支える人もない。ゾクッとするほどに孤独で、それなのにどこか軽い。
悲しいとも淋しいとも言われないからこそ、この一言が強く刺さります。

「貴方が棄てた私には肉も骨もありますから」
人間であること、感情があること。「肉も骨もある」と表現するの凄まじい……
生々しい説得力を感じるのに、音が綺麗なのですっと入ってくるんです……

「飢えも乾きも手紙如きでどうにかなると思わないで頂戴な」
手紙如きが良いです……
しっとりとまとわりつくような情念。
何を望むわけでもないけれど、その深さが感じられるようです。

「部屋に籠ってダバダバ」
滑稽で楽しそうですらあるのに、だからこそ哀愁が感じられるんです。
そのような擬音で表現する、どこか冷静で客観的な自分がいる。それが余計に淋しい。

「私と素面の春」
そしてこれですよ……
夜の街灯に照らされた自分と春。
酔った自分と素面の春。
みじめさが際立つようで、どこまでも綺麗で。
「のをあある とをあある やわあ」
萩原朔太郎を思い出すようです

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