くまし
身体が大きくて、他のどのクマより、どの動物より、森の中で1番強いくまし。でも性格はのんびりで穏やかで、困っている動物を見ると手を貸さずにはいられない。だから森の動物たちはくましのことを怖いとは思ってないし、優しいことを知ってるし、困ったことがあったらくましに相談しにくる。でもそのせいで他の動物よりも危険に晒されることが多いし、くましを利用する動物も出てくる。
「なんで あんたばっかり あぶないめに あわなきゃいけないんだ!いやなことはいやって ことわっていいんだぞ!」
いつも元気で活発で、高い所が好きな小さな赤い猫の友達は、いつもそう言ってくましの代わりに怒ってくれた。自分よりも大きな動物相手に、平均よりも小柄な身体を精一杯大きく伸ばして威嚇する彼は、いつもくましのことを心配していた。小さな赤い猫は、自分の珍しい毛の色を綺麗だと言ってくれたくましのことが大好きだった。
「しかたねーから あんたがいくときは オレもいっしょに ついてってやるよ!」
そう言ってくれる小さな友達のことがくましは大好きだった。ずっと一緒にいられると思っていた。
「もりが かれてしまうんだって。もりのおくの クリスタルに おねがいしたら もりもみんなも たすけられるかもしれない」
そう言って、赤毛の猫は、姿を消した。