もうじき発売の新書『トランスジェンダー入門』はもちろん何も知らないがゆえにトランスジェンダーを差別する人や、差別したくはないという多くの(シスジェンダーの)人に読んでほしい
けれども、私はおそらく一緒に書いたゆと里さん以上に、「かつての自分」のような読者を想定しているのだと思います。言葉をもたない、お金もない、情報網もない、トランスジェンダーの当事者やそうかもしれない人たち。身体をどうにかしたいけれど医学的な治療って何するの?とやるべきことが見えない人、親や先生に説明できずに言いくるめられて苦しい思いをしている人、誰も味方になってくれないと世界に憎しみを抱いている人、自身もトランスフォビアでいっぱいの人…..。そんな人たちに届くといい。
【ここまで読んでくれた方へ】
ということで、各地のジェンダークリニックやバー(新宿2丁目以外でも)など、情報があった方が良さげな場所をご存知でしたら、本を送りたいので教えてください。ココへ返信でも、ブログ「周司あきらの自省録」メールからでも。
【note】ryuchellさんの訃報に関連して
昨晩はショックで言葉も出ず、報道を見てしんどい状況の人に向けた相談窓口の情報提供と、ヘイトスピーチや誹謗中傷への対応を怠るSNSなどプラットフォーム側への願いを投稿して、自分自身もTwitterからやや離れていました。
ちょうど昨日、集英社新書『トランスジェンダー入門』をお送りいただき、今日はなかなか仕事が手につかなかったのもあり、発売前ひと足先に拝読。
このタイミングだからこそ「当事者の実態は知らないけど、最近話題のあの件はなんとなくこう思う--」と、SNSの投稿ボタンを押す前にまず読んでほしい一冊だと思いました。
トランスジェンダーとはどんな人たちなのか、性別を移行するとはどういうことかなど、文字通り「入門書」。同時に、すばる8月号「トランスジェンダーの物語」特集で高井さんが書かれていたけれど、トランスとはという"定義"ばかり求められるとき、誰がそこに含まれるかより、何が抑圧を生み出しているか、なぜ一つの「傘」の元に集うか--同じ差別という雨に打たれているという視点の大切さを実感します。
この厳しい状況のなか書かれた著者のお二人に頭が下がる思い。明日7/14(金)発売です。
渇きの感想。ネタバレ、下の話
パクチャヌク見れるやつ全部見るをやっている。渇きも面白かった。
キム・オクビン演じる猟奇的で幼稚な狂気に満ちたヒロインも良かったけど、ヴァンパイアになった敬虔な神父という設定盛り過ぎなソン・ガンホが一番エロかった。人のために命を投げ出すほど高潔な神父が怪物になり、人妻不倫に殺人と罪に溺れていく様が……。
恩師(高齢男性)が差し出す血濡れた腕を吸うのを見ながら、これ以上濃い絡みがあるのか?と思っていたが特になかった。
※ネタバレ
ヒロインの旦那を湖に埋めて殺した後に2人ともストレスで幻覚を見るようになり、そのシーンが普通に怖かった。正常位でセックスしてある神父とヒロインの間にずぶ濡れの死んだ旦那が笑いながら挟まっているっていう過剰すぎな演出はパクチャヌクらしかった。
最後海に行く前に神父が病気の人たちが暮らすキャンプに行って女性をレイプしようとするのはよく分からなかった。失望されたかったってことなのか?あとここで神父の局部がモザイク無しではっきり映っててCGだよね?と若干不安になった(同意がちゃんと取れているかとか)
靴を履かせるシーンもそうだけど、ありきたりじゃない愛情表現を考えるのが本当に上手い監督だなと思う。
パクチャヌクが描くエログロ有りの少女漫画みたいな映画だったな。