最近は船戸明里『アンダー・ザ・ローズ』を5周くらい読みました。そんなに!?って自分でビビってた。
19世紀のイギリス貴族、1人の正妻と2人の妾・4人の嫡子と4人の庶子を持つロウランド伯爵をめぐる物語。
嫡子と庶子を巡る難しい家族関係はありつつも、個々人の関係はおおむね良好、なにより中心にいる父親アーサー・ロウランドが作中で一番の人格者。2人の妾と4人の庶子がいて!
で、そもそもなんでそんなことになってるのということで、庶子の一人ライナスが母の死の謎を追う話(1-2巻)や、敬虔な家庭教師レイチェルが子どもの為に家族の歪みを正そうとしていく話(2巻~最新話)を描く中で、一家に隠された後ろ暗い側面が明かされていく。
人格者に見えるキャラに隠された歪みや思い、ストーリー内での開示の仕方もとにかく巧い。伏線の貼り方や設定の活かし方ってこんなに巧妙にできるのかと。最高の漫画の一つだと思う。
で、実はこの作品、ロウランド伯爵の死後を描いた『HONEY ROSE』が発表されてて、作者の中では全体構想がかなり練り込まれてる。
なのに、幻冬舎は連載誌を休刊してしまったので11巻以降の刊行が見込めなくなっているという……。
(11巻分の話は単話配信してて、もう数年経つ)
何故唐突に『アンダー・ザ・ローズ』の話をはじめたかというと、最近になって船戸明里先生が本編のもう少し未来の話をご自身のFANBOXで公開して何度も読んでしまってるからです。
https://funato.fanbox.cc/posts?page=1