絶賛されていた『ライオン少年』、悪くはなかったんだけど
主人公以外のメンバーが打ち込む動機がまったく分からなくてキャラが薄い(『BLUE GIANT』と比べるとその差は歴然)こととか、肝心の獅子舞がスポーツ化してしまって動きの美しさが評価対象になってなかったこととか、食えない自己実現VSシビアな貧困という折角のテーマが表層的で物語の中ではボヤけていたり(政治的な理由かもしれんが、そもそも監督が改革開放世代だからかもしれない。社会構造批判は綺麗に避けられていた)、なんかもう全方向で煮詰めきれてない未熟さばかりが気になってしまった。個人的には70点てところかな。
アニメーション自体は良い出来ではある。既視感のある演出が多かったけど(監督は『モノノ怪』とか好きではないかしら)そのへんはこれからだろうと思うし。映像に物語の力が追いついてない。
中国の現代文学には壮大な物語が沢山あるし、実写映画もすごい才能がいるのにアニメになるとこうなるのはなぜなんだろうか。
ひょっとして中国のアニメ業界はアニメ畑の人だけでやってる感じなんだろうか。どこかでテコ入れした方がいいのでは。