酒場のカウンターで飲んでる時に「お兄さんもひとり？」と隣に座ってきた20代後半の化粧慣れした女に「じゃあ君もひとり？」と飲める？と酒瓶を持って掲げるジェスチャーをするレイヴンに「ええ」とグラスを差し出して酒が注がれたグラスではなくレイヴンの飲んでいた方のグラスを取って口をつける。

「およよ…おっさんの飲みカスよ？間接キスなんて大胆ねぇ…」
「そのおじさんとキスがしたいから飲んだのよ。それ以上も…ね」
じゃなきゃ声をかけないわと笑う女に一瞬、目を細めた後すぐに大袈裟な口調であら〜大胆なお誘いね〜！とくねくねと身体を捻っていたら女が両腕をレイヴンの首に絡ませてそのまま唇を塞がれてチュッとリップ音と共に離れるが、騒がしく人が賑わう酒場では2人を気に留める筈はなく。
二回目はどちらともなく触れ合う唇。

「されて嫌なことは？」
「病み上がりだからねぇ…身体に触れないなら何でも」
チラリと包帯を巻いた胸元を見せるレイヴンにOKと身体が触れ合わないがキスが出来る距離で囁く女に聞き分けが良い分警戒を緩めないレイヴンが君がされて嫌なことは？と聞く。

「今、貴方に断られる事かしら」
それはないかなぁ…と口紅が薄く移った唇で笑ってほしい…朝帰りするおっさん。