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外場村の因習儀式で年に一度毎年冬に尾崎家の子を産まされるために毎年違う家に行って男の種をもらいに行く敏夫が今年は田茂家に行き……。 

孕まされるのがみてぇ……。

去年の大川の家の種ならと父子共に種付けをして期待されてたのに実らず、敏夫の腹の出来が悪いからだと言われる始末で……12年目の今回、田茂家の種をもらいに来た敏夫。
定文の父、田茂定市がこの儀式のためにまだまだやれるとマムシ飲んで準備してたのに「お父上はご高齢。身体に障りますので俺がやります」と息子に諭されて2人で広い部屋に案内されると大きな布団と桐箱。
箱の中には尾崎家の代々伝わる秘薬類(催淫剤、軟膏)が入っていて、若先生これって何に使うんだ?と振り返って聞いたら慣れた手つきで銀の急須と猪口を用意して注ぐ白い着物に白い帯を巻いた敏夫の姿にゴクリと喉を鳴らす。
この家に入ってから終始無言の敏夫に確か風習ではまぐわいの際以外は喋ることを許されないと言っていたなと数日前に訪れた敏夫から説明を受けたことを思い出す。

「男を抱くことに気が乗るわけがないだろうから精液だけを貰って後で俺が自分で注入する」
淡々と事務的に話す敏夫に定文は「抱くよ、俺は」と返されてそうかとだけ返事をする。
盃を交わすように小さな猪口の酒を飲み干し、2人は布団の上で顔を合わせる。

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