初投稿🥀
【Non.】
ルイ=フェルディナン・セリーヌの墓に刻まれているらしい、"否定"の言葉。
たとえば、タワレコのNO MUSIC, NO LIFEというキャッチコピー。同じNoでもこれだけ真反対だ。
セリーヌは矛盾に貫かれた作家かもしれなない。矛盾に貫かれることは、人間性の証であり、同時に性(さが)でもあると思う。
セリーヌは、反ユダヤ主義に貫かれた本を何冊か書いたことがある。
セリーヌの小説を読まなくても、この事実をネットや噂で確認すれば、それでこの人の小説は読まなくていいやと「理由」を作ったり、あるいは人種差別的だ、セリーヌは反人道的だ、犯罪者だ、二度と世に出てはならない反動的なヤブ医者だ… と、ともかくもまあ、"作品を読まずして、知ったふうに見せる"こともできる。
コスパのいい作家だ。笑
だけど、セリーヌの墓に刻まれた最強の言葉。ひとこと。「いいえ」。それはなにを拒否しているのだろうか。
「いいえ、人生はけっこうです」
「いいえ、愛は必要ないです」
「いいえ、ユダヤ人は好きではありません」
…「いいえ、全てがいいえです。いいえ。おかまいなく!いやだ!No!」
僕は、セリーヌから、いつまでたっても離れることができそうにない。